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活気ある講義を実現 学生との信頼関係をつくりあげるツール

学生数1万人、神戸市最大の私立総合大学。2016年には創立50周年を迎えます。dotCampusの導入は2003年。現在70名を超える教授が活用し、学生の学習活動を促進し、学生同士や学生教員間のコミュニケーションを活発化させるツールとして利用されています。

獨協医科大学

1973年開学 栃木県下都賀郡壬生町

緊急時、学生の安否確認手段としてdotCampusを利用。また、予復習のサポート・授業中のグループ学習にもdotCampusを活用している。

利用しているモジュール
コースポータル

dotCampusを選定した理由

獨協医科大学では、今後のICT活用教育の観点からLMSは必須と考え、2010年にLMSの導入を検討し始めました。2011年度に導入を行う方向で話を進める中、使い勝手の良さや運用経費の面から、dotCampusに注目していました。

dotCampus導入決定の大きな契機となったのは、2011年3月に発生した東日本大震災でした。学校近辺も大きな揺れに見舞われ、教職員は学生の安否確認を電話で一人ひとりに行いましたが、この確認方法では労力と時間がかかります。そこで、大きな災害等が発生した際に何らかの通信手段を学生との間で持ちたいと考え、学生の最新の情報を常に持っているLMSを使えるのではないかという結論に至りました。dotCampusのアンケート機能やメールにお知らせを送る機能を活用し、さらにカスタマイズを行うことで、LMS上で安否確認できることが大きな決め手となってdotCampusを導入することになりました。獨協医科大学のアイデアをもとにインターレクトが共同で開発したこの安否確認システムは、2011年11月の第8回日本e-Learning大賞で奨励賞を受賞しました。

新バージョン移行

2014年に新しいバージョンであるdotCampus5がリリースされ、獨協医科大学では2016年4月に移行しました。dotCampus5はアンドロイド・iOS両方に対応し、タブレット等での表示にも適しているのが特長の1つです。獨協医科大学の看護学部では、2014年度から新入生全員がiPadを持つことが始まりました。そのため、現時点では1年生から3年生の全員がiPadを利用していることもあって、様々な機種で対応可能になったのは新バージョンのメリットであると言えます。

また、バージョンアップの際には大学側から多くの要望を出しましたが、取り入れられた部分は大きかったです。たとえばコーチページのパフォーマンス改善、アイコンの色の改善などを提案し、インターレクト社によって実現されました。

予復習への利用

2015年、医学部では授業時間が従来の90分から60分に短縮されました。いままでのすべての授業内容を60分に詰め込むのは難しいことから、学生一人ひとりの予復習が重要になります。その中で、次回の授業に向けた事前課題の説明・資料提供・事前レポートの提出・アンケートもしくはミニテストによる理解度把握といった機能をもつdotCampusの利用が増加しました。学生がいつでもどこでも課題に取り組み提出できる点や、教員が提出状況・理解度を瞬時に把握できる点もdotCampusのメリットであると言えます。

グループ学習でフォーラムを活用

獨協医科大学では、授業前の資料配布、授業後の課題提出のみならず、授業中のグループ学習にもdotCampusを活用しています。従来、グループ学習で出た意見はグループのメンバーや先生としか共有できませんでした。しかし、フォーラムにグループ学習で出た意見を書きこめば、他のグループの情報もオンライン上で見ることができます。このように、アクティブラーニングのためにdotCampusを活用することができるのです。

まとめ

dotCampusの利用は、学内での周知や展開の活動により年々増加してきています。とくに、看護学部のiPad導入や、医学部の授業時間が短縮といった変化に伴い、2015年度からは利用状況の大幅な増加が、登録科目数やログイン数の集計で見られています。さらにdotCampus5へ移行した2016年度においても、その傾向は止まらず、全学的な利用がさらに進行しているようです。

教員側からもdotCampusを使いたいという声が増え、運用を管理する情報教育部門の教員への相談が多数来ています。LMSの利用は授業デザインと密接にかかわっているので、どのような目的でLMSを授業で使いたいのかを聞くことから始めます。そのうえで、授業とdotCampusの機能をどのように連携させるかを含めた授業デザインの提案をすることも多々あるそうです。

従来型の授業方法からdotCampusをうまく使った授業方法に変えるために、いきなり多数の機能を使うのではなく、まずは最低限必要と考える一部の機能を使い始めてもらい、そのうち便利だという実感が出てきた段階で、さらなる機能の利用を行うなど、利用に関するステップアップも重要だとのことです。そのような中、自然と口コミでの広がりから、新たな利用に関する相談が来るなど、LMSに対する理解向上や展開にも、ノウハウの部分も含めて先生同士の連携が必要だと考えます。